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部活動顧問の負担減に効果 大阪「指導員」配置半年 課題は質の担保

 教員の長時間労働の一因とされる部活動の負担軽減に向けて導入された「部活動指導員」を大阪府教委が6月に配置して半年になる。府教委の調査では、配置した府立高校の大半で顧問の心理的な負担が減り、他業務が充実する効果があった。一方で、指導員を安定的に確保する必要があり、専門家は制度が浸透するには質の担保も重要と指摘する。

     府教委は部活動指導員を配置するため、今年度当初予算に約1000万円を計上。期間は6月~来年3月で来年度以降は拡充も検討している。

     勤務時間は月40時間以内で時給1600円。元教員や地域のスポーツ活動、文化教室で指導経験などを持つ人が対象で、今年度は申請があった33校のうち、時間外勤務の時間数や休日の勤務日数、教員の競技経験の有無を勘案し、10校のテニスやバレーボール、吹奏楽部などに計10人を試験的に配置した。

     学校から府教委への報告によると、配置から3~4カ月間で、8割が単独引率による負担が軽減、9割が専門外の指導をせずに心理的な負担が減ったと回答した。一方で、学校での滞在時間が短くなったと回答したのは4割で、部活動以外の業務の軽減の必要性も浮き彫りになった。

     中高生の部活事情に詳しい学習院大の長沼豊教授(教科外教育)は「一般的には競技経験がない教員が指導するより、経験者が指導する方が生徒への利点がある。教員も自宅に仕事を持ち帰らず、在校中に消化できるようになった人もいると聞く」と語る。

     大阪市は、指導員の安定的な確保のために人材バンクを設けている。長沼教授は「(教育委員会などで)質を担保できる制度の構築や、給与面などの待遇を検討して更なる人員増を図るべきだ」と話す。

     6日に中央教育審議会の特別部会がまとめた教員の働き方改革の答申素案では、部活動に外部人材を登用して業務を削減する方針が示された。部活動指導員の配置充実や、大会などで同指導員による単独引率を可能にする規定の整備などを文部科学省に求めている。

    指導員「自分の成長にもつながる」

     6月から大阪府立寝屋川高校で部活動指導員として、女子バスケットボール部を受け持つ元教員で、団体役員の安田誠宏さん(59)は「生徒と接することは自分の成長にもつながり、やりがいがある」と話す。

     安田さんは中学生から大学までバスケ部に所属。教員時代もバスケ部顧問を務め、経験は十分だ。平日は練習を指導し、土日の練習試合や大会にも付き添う。部長の辻本さくらさん(2年)は「自主練習では難しい質の高い練習ができるようになった」と歓迎する。

     今年度、競技経験者の顧問が産休に入り、経験がない副顧問が代わりに指導することになるため、府教委に配置を申請した。山中一郎教頭(56)は「技術指導の経験がない教員の心理的負担も減り、生徒にとってもきちんとした指導が受けられてありがたい」と歓迎する。

     教員の働き方改革の一環で導入されメリットがある一方、外部指導者の登用は質の担保が課題だ。安田さんは「指導の上で生徒に混乱を与えないようにするため、学校との連携を大事にしている」と話す。【芝村侑美】

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