- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷
渡辺貞夫の2018年は、収穫の大きな年だった。秋にアルバム2作を同時発売、1960年代に日本のボサノバムーブメントを作り出したタクト・レーベルからの9タイトルを復刻リリースし、内容/量ともに群を抜いていた。新作の「リバップ・ザ・ナイト」は、紀尾井ホール、ブルーノート東京などで録音したライブレコーディング作。ラッセル・フェランテ(p)、ベン・ウィリアムス(b)、ケンドリック・スコット(ds)という世界的に活躍する凄腕(すごうで)メンバーが、「サダオの音楽が大好き!」と、彼のサクソフォンを引き立てる演奏に徹した。結果、一体となってかもし出す“バンド感”が素晴らしく、臨場感あるサウンドを可能にした。渡辺自身が、本作について次のように語った。
「前作である『リバップ』をステージにかけてリカバリーしようと。よりよくしたいわけです。長年付き合ってくれているラッセルは、よく僕の演奏に耳を傾けてくれ、新境地だと思うピアノも聴かせてくれました。ベースのベンはいい音色と、ジャズの伝統にのっとった、うれしくなるようなフレーズをもっています。ドラムのケンドリックは、今のタイム感をもっているので、全体のサウンドが新鮮になります。僕も彼らから触発されると…
この記事は有料記事です。
残り527文字(全文1049文字)