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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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国立大予算の削減 データで正当化する誤用=長谷川眞理子・総合研究大学院大学長

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=藤井達也撮影
=藤井達也撮影

 先月、中国の学者が、ゲノム編集を施した受精卵から双子の女児を誕生させたと発表した。ゲノム編集の技術はどんどん進んでいるが、それを本当に子どもに応用したというのは初めてだ。こんなことをしてはいけないと、世界中で懸念の声が上がっている。

 また、最近、日本の財務省は、国立大学に対する予算を削るために、「削るという判断が正しい」ことを示すデータなるものをたくさん出してきている。各国政府の科学技術に対する支出とその国の論文生産性との関係や、主要先進国の学生1人あたりの公的支出に関するデータなどだ。

 自然科学は、自然界がどのようにできているか、どんな法則によって動いているのかを知ろうとする試みである。自然を観察し、仮説を立て、それに基づいてデータを集めて検証を行う。検証の結果、仮説が間違っていることが分かれば、新たな仮説を立て直し、またデータを集める。その繰り返しにより、少しずつ説明力を増強していく。

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