◆障害者の「できる」に目を向け
「ナミねぇと呼んでね」。社会福祉法人「プロップ・ステーション」理事長、竹中ナミさん(70)=神戸市東灘区=は誰にでも、そう自己紹介する。「ナミねぇ」と呼ぶと、確かに距離がぐっと縮まり、旧知の間柄のように感じる。
今でこそ政・官・財界でも定着しているが、実は「筋金入りのワルやった」という少女時代についた愛称だ。家出を繰り返し、神戸・三宮の盛り場をうろついた。アルバイト先で出会った恋人の家に転がり込んだのが15歳の時。高校は除籍となり、16歳で結婚した。「ワルやったから、平気で社会のルールを変えてやろうと思いつく。ええ子やったら、ルールを守らなきゃいけないと考えるし、つぶされちゃう」。不良精神は今も健在だ。
転機となったのは、24歳で授かった第2子の長女麻紀さん(45)が心身両面で重い障害を持つと分かったことだった。自分の意思で体を動かせない。明暗が分かるだけの視力。だが「麻紀が私を更生させてくれた。この子を通して私のやるべきことが見つかった」。訓練施設に向かうバスを待つ朝、いつも一緒になる母子の姿がない。我が子の将来を悲観し、心中していた。日本の福祉はどうなっているのか。専門書を読みあさった。当事…
この記事は有料記事です。
残り4547文字(全文5080文字)
毎時01分更新
秋篠宮家の長女・眞子さまと、婚約相手の小室圭さんの婚約の内…
政府は新型コロナウイルス対策として、新型インフルエンザ等対…
昨季限りで、サッカーJリーグ・川崎フロンターレでの18年に…