キザー/ハーマン組が勝利「今週はちょっと変な感じだったよ」(キザー)(PGA Tour)
QBEシュートアウト 最終日
QBEシュートアウト/フロリダ州 ティブロンGC
ジュニア時代からのライバルコンビが勝利
ブライアン・ハーマン/パットン・キザー組が、30回目の開催となった今年のQBEシュートアウトを制した。
ジョージア州セント・シモンズ島在住コンビは、最終日に強風の中、11アンダー61(パー72)でプレー。通算30アンダーまでスコアを伸ばし、非公式試合である今大会で優勝カップを手にした。
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最終日は、ベストボール方式(各選手が自分のボールをプレーし、いいほうのスコアがチームのスコアとして採用される)で行われた。
2人は最終日、力を寄せ合って戦ったが、普段はお互いを褒め合うことに慣れているわけではない。
「ボクたちはいつも、互いにしのぎを削っているんだ。でも、今週は彼(ハーマン)がボクに優しかった。ちょっと変な感じだったよ」(キザー)
ハーマンも「彼(キザー)を打ち負かそうとは考えないようにしたよ」と述べた。
ハーマンとキザーはまるで「マット・アンド・ジェフ」(米国の新聞コミック)の2人のようだった。身長195センチのキザーに対して、ハーマンは約30センチも背が低い。
2人は元々、今大会で一緒にプレーする予定ではなかった。デービス・ラブⅢが母親の看護のため欠場を余儀なくされ、ハーマンが急遽出場することになったのだ。
それでもハーマンとキザーは相性がよかった。2人はジュニアの大会に参戦を始めた12歳のときからの顔なじみだ。
ジョージア州サバンナ出身のハーマンと、アラバマ州タスカルーサ出身のキザーは、米国ジュニアゴルフ協会(AJGA)やサウスイースタン・ジュニアゴルフ・ツアーなど、地域や全国規模の大会で何度も対戦している。
「彼(キザー)が優勝トロフィー、ボクが2位のトロフィーをそれぞれ掲げている写真がある。そのころ、彼(キザー)は背が低くてずんぐりしていたんだ」(ハーマン)
キザーもそれを認めている。
「幼いときは何度か、彼(ハーマン)に勝ったことがある。でも、その後に彼はボクに追いついてきた。ボクたちはいい試合をたくさん戦ったよ」(キザー)

2人のチームワークがうまくいった理由はそれだけではない。地元での練習ラウンドなどで、2人でプレーすることに慣れているだけではなく、2人は釣り友達でもある。アウトドア好きなハーマンが、いつも釣り用のボートを出している。
「彼(ハーマン)はボートを買った。彼に電話して『友達がボートを買ったのなら、ボクが買う必要はないよね』って言ったんだ」(キザー)
「彼(キザー)は釣りの後に、ボートを洗うのを手伝うだけでいいんだ」(ハーマン)
釣りがうまいのはどちらのほうか?
「淡水での釣りでは、彼(キザー)はボクに追いついている。でも、海釣りでは相手にならないね」(ハーマン)
「ボクはアラバマ州タスカルーサの内陸で育ったので、海には慣れていない。でも、彼(ハーマン)は海のそばの湿地帯で育ったから、潜ってロブスターを捕ったり、さまざまな魚を捕まえたりするのはお手のものなんだ。彼から教わることは多い」(キザー)

2人には、年末に調子が上向くという共通点もある。ハーマンは昨シーズン、最初の6試合でいずれもトップ10フィニッシュを果たした。そのうち5試合でトップ5に入った。2017年末から2018年初頭にかけて猛烈にダッシュしたのだ。
キザーも昨年末から今年初めにかけて、OHLクラシック・アット・マヤコバとソニー・オープン・イン・ハワイで優勝している。2人は、年末年始のこの時期を一番楽しんでいるようだ。
ところが、その後は2人とも伸び悩んだ。キザーはシーズン最終戦のツアー選手権への出場資格であるフェデックスカップ・ランキング30位以内に何とか滑り込んだが、ハーマンは48位に終わり、出場を逃した。
ツアー通算2勝を挙げているハーマンは「ライダーカップへの出場が危ぶまれる事態になった。少し押しつぶされそうになったが、年末に向けて自分にプレッシャーを与えてきたんだ」と語る。
シーズン終盤の不振はさておき、2018年末に向けてハーマン、キザーともに調子を上げ、今大会でも好調をキープした。
この日、キザーは17番パー5で、7番アイアンで打った第2打をグリーンに乗せ、イーグルパットを沈めて勝利を決めた。ハーマンは第2打を3メートル以内に寄せていたが、パットを打つ必要がなかった。
「なぜこの時期が好きなのか?」と聞かれて、キザーは首を横に振った。
ハーマンは「ゴルフはとても個人的な旅のようなものなんだ」と答えた。
その通りだが、友人と一緒にプレーするときは例外と言えるだろう。

グレーム・マクドウェルは昨年に続いて2位でフィニッシュした。
マクドウェルは昨年、シェーン・ローリーとのコンビでプレーしたが、今年は新しいパートナーであるエミリアーノ・グリロと組んでプレーした。
マクドウェル/グリロ組は11番パー4から17番パー5まで7連続バーディを奪って追い上げた。
しかし、最終18番パー4はパーにとどまり、首位と1打差の通算29アンダー単独2位で今大会を終えた。
続いて、チャールズ・ハウエルⅢ/ルーク・リスト組(この日のスコアは11アンダー61)、ケビン・ナ/ブライソン・デシャンボー組(10アンダー62)、チャーリー・ホフマン/ゲーリー・ウッドランド組(9アンダー63)の3チームが、首位と2打差の通算28アンダー3位タイでフィニッシュした。
ハウエルⅢ/リスト組は、バックナインでイーグル2個、バーディ5個を奪い、スコアを伸ばした。
ウッドランドは、202ヤードの5番パー3でホールインワンを達成した。
唯一の女子選手として参戦したレキシー・トンプソンは、トニー・フィナウとのコンビで、7アンダー65でホールアウト。首位と7打差の通算23アンダー7位でフィニッシュした。