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 1990年代の松竹、京都映画で、馬場正男は美術管理として大活躍する。美術監督の構想を実現するため、必要な資材や人手を手配するのが仕事だ。馬場は限られた予算でいかに見栄えのするセットを造るか、知恵を絞った。極意の一つは“もったいない精神”。「あるもんを使うんさ。腐った木でもね、それらしく作ったのと自然に腐ったのと、全然ちゃいます。火事現場や空襲の後の場面で、焼け残りの柱があるでしょ。ほんとに焼けたもんは、あちこち欠けてます。作り物は黒く塗ってあるだけ。一目で分かる」

 撮影所を一回りして、時には隣の東映まで足を延ばし、使えそうな資材を見つけてくる。どこに行けば何があるか、馬場の頭の中の地図に書き込んである。「いつ使うかわからんものは置いときにくいけど、やっぱり大事にしたほうがええ。会社は汚いとか場所取るとかで捨てろと言うけどね。古いもんは、作れへん。作ったって、あんまりええもんはでけへん」

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