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社説

次世代ハイテク覇権 新局面迎えた米中の争い

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 次世代ハイテク技術をめぐる米中の覇権争いが新段階に入った。通信機器の中国大手、華為技術(ファーウェイ)の最高幹部が米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダ当局に拘束され、中国が猛反発している。貿易紛争も絡み、米中対立の激化につながる可能性がある。

 ファーウェイは携帯電話の通信設備では世界トップの巨大民間企業だ。日本など170カ国以上で事業を進め、次世代高速通信技術の「5G」でも業界をリードする。

 米国はハイテク分野で世界トップの水準を目指す中国の産業政策「中国製造2025」に神経をとがらせている。拘束されたのはその中核企業の創業者の娘だ。ハイテク覇権をめぐる米中のせめぎ合いという見方が出るのも無理はない。

 米国は中国製通信機器には情報漏えいなど安全保障上のリスクがあると警戒してきた。8月にはファーウェイ製品などの政府調達を原則的に禁じる国防権限法が成立した。日本など同盟国にも同調を求めている。

 日本は中国企業の名指しを避けつつ、米国と共同歩調を取る方針を決めた。安全保障に絡む問題で同盟国との協調は重要だが、日中関係に無用な摩擦を生まぬ配慮も必要だ。

 中国は昨年、国民や企業に国の情報活動への協力を義務づける「国家情報法」を成立させた。ファーウェイの創業者は中国軍の出身で軍との緊密な関係も指摘されてきた。

 中国独特の国家と企業の関係に各国の警戒心が高まっている。摩擦回避には透明性を高め、世界ルールに歩み寄る姿勢が求められる。

 中国はカナダによる人権侵害だと批判するが、中国の司法制度よりカナダの方が公正と考えている人が多いことを自覚すべきだろう。

 米国は中国がサイバー攻撃を通じて先端技術を盗んでいると不信感を抱いている。中国はサイバー攻撃を防ぐ国際的な枠組み作りへの協力などで真剣に対応する必要がある。

 米国も力ずくで中国の台頭を抑え込もうとするのでは、国際政治、経済の不安定化を招く。今のところ、ファーウェイ幹部の拘束は貿易紛争とは別問題という点で米中の見解は一致している。まずは冷静に2月末までの猶予が与えられた貿易交渉の前進に力を注ぐべきだ。

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