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岡崎 武志・評『昨日がなければ明日もない』『そばですよ』ほか

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今週の新刊

◆『昨日がなければ明日もない』宮部みゆき・著(文藝春秋/税別1650円)

 宮部みゆき『昨日がなければ明日もない』は、私立探偵・杉村三郎シリーズの第5弾。いずれも、ちょっと困った女たちを扱う三つの中編を収録する。

 表題作は、杉村がやっかいな女からやっかいな依頼を受けるのが発端。16歳で出産し、男遍歴を重ねる29歳シングルマザーの美姫は、経済観念がないくせに金に汚く、「あたしの子供が殺されそうなの」と言い出した。

 別れた夫との間にできた息子が交通事故に遭った。これは義母の企(たくら)みだと言いがかりをつけ、金をせしめようという魂胆だった。美姫には娘もおり、これまた問題児。親子、姉弟、離婚した元夫婦、複雑な家庭環境の泥沼に腰まで浸(つ)かりつつ、杉村の働きにより一件落着と思えたが……。

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