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余録

ショウジョウボクと和名でいっても…

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 ショウジョウボクと和名でいってもピンとこないかもしれない。漢字で書けば猩(しょう)々(じょう)木(ぼく)、昔の日本では赤いものの代表とされた架空の動物が猩々である。つまりは真っ赤な葉で師走の街を彩るポインセチアのことだ▲その赤い葉と緑の葉のコントラストが鮮やかで、まさしく鉢に植えられたクリスマスカラーである。原産地のメキシコではクリスマスイブとも呼ばれていたが、それを紹介した米国公使のポインセットの名前がついて世界に広まった▲一方、猩々はもともと酒好きで人と話せる中国の伝説上の動物という。ただ、その真っ赤な姿、そして主に海にすむという習性は日本で生まれた話らしい。それらのイメージが定着したのは能の「猩々」によるところが大きいようだ▲酒を商う孝行息子が客にまぎれた猩々を見つけ、共に酒を酌み交わすめでたい一曲である。全身赤い装束の猩々は酔って乱れ舞うが、クリスマスカラーの街でも忘年会やパーティーのお酒が入ったにわか猩々の足元の乱れが目につく▲振り返れば、耳を疑うようなパワハラやセクハラが世の厳しい指弾を浴びた今年だった。パイロットの規律の乱れを明るみに出した飲酒のトラブルも記憶に新しい。年忘れの宴でも忘れてはならぬ戒めがいつになく多い年末となった▲能の猩々は孝行息子の徳をたたえ、美酒の尽きることのないつぼを授けた。平成最後の年の瀬のにぎわいにも人を幸せにする猩々はひそんでいよう。「飲んで食べて笑って疲れポインセチア 蓮田双川(はすだそうせん)」

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