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社説

河野外相の記者会見発言 「次の質問」という傲慢さ

 河野太郎外相が北方領土交渉をめぐる基本姿勢についての説明をかたくなに拒んでいる。その言いぶりが11日の記者会見で問題になった。

 ロシアのラブロフ外相が「日本が第二次世界大戦の結果を認めなければ、一切議論できない」と発言したことへの反応を聞かれた河野氏は、質問を無視するかのように「次の質問どうぞ」と受け流した。

 関連質問が2回続いたが、何ら答えず「次の質問どうぞ」と繰り返し、「何で『次の質問どうぞ』と言うんですか」との質問にも「次の質問どうぞ」と無視を決め込んだ。

 木で鼻をくくったような対応には傲慢さを感じる。記者側は「誠実な対応を求める」と文書で抗議した。

 河野氏は先の臨時国会でも「手の内を公の場で言うのは日本側の利益にならない」と交渉に臨む原則的な立場すら答弁を拒み、批判された。

 記者会見は基本政策を国民に示す場でもある。機微に触れる領土交渉の難しさはわかるが、国民の利益に関わる主権をめぐる問題だ。

 国民の理解と支持なくしては解決できない。そうした認識をどこまで持ち合わせているのか。

 トランプ米大統領は自身に批判的な主流メディアを「国民の敵」と言ってはばからない。政権の政策遂行を邪魔していると映るからだろう。

 河野氏は安倍晋三首相から交渉の責任者に指名された。重責を担う重圧もあるに違いない。だが、領土問題に関する質問自体が交渉の妨げになると考えているのなら残念だ。

 ロシア側が北方領土はロシア領だと主張しているのに、河野氏がロシアの反発を招かないようにとだんまりを決め込んでいるのであれば、アンバランスに過ぎる。

 一方で河野氏は同じ領土問題を抱える韓国には厳しい態度を取ってきた。ロシアとの対照的な姿勢は二重基準と言われても仕方あるまい。

 安倍首相や麻生太郎財務相ら安倍内閣には国会や記者会見などで質問や疑問に正面から答えなかったり、はぐらかしたりする政治家が多い。

 河野氏はもともと情報公開や説明責任の重要性を訴えてきた政治家ではなかったか。記者側の抗議に河野氏は「神妙に受け止める」とのコメントを出したが、それを言動できちんと示すべきだ。

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