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余録

アメリカ映画の名作「明日に向って撃て!」(1969年)は当初…

 アメリカ映画の名作「明日に向って撃て!」(1969年)は当初、批評家に酷評された。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが演じた銀行強盗2人組は延々と逃げ続ける。およそ正統派西部劇の主人公らしくない▲だが、公開されると大人気を博した。破滅を予感しながらも、社会の枠に収まりきれない逃亡人生は、「反体制」的な生き方に憧れる人々の渇きをロマンチックに体現していたからだ▲前年、欧米や日本で同時多発的に学生の反乱が起きた。掲げた要求はまちまちでも、権力に抗し社会変革を目指す無鉄砲さこそは若者の特権である。そんな理想が輝いて見え、挫折体験すら愛惜する世情が、映画鑑賞にも投影されていたのだろう▲「68年」から半世紀。マスコミでは今年「あの時代」を回顧する企画が多かったが、関心は今一つ盛り上がらなかった。「反体制」「挫折」といった往事を象徴するキーワードは、もはや魅力に乏しいらしい▲50年前にタイムスリップしたかのような現象が相次ぐ。パリで反政府デモが荒れ、米国では若者の左傾化が話題だ。日本では趣が異なる。日本大アメリカンフットボール部問題には「日大紛争」時の管理体質が今も残る内情が垣間見えて驚かされた▲「東大紛争」は医学部の研修制度改善がきっかけだったが、各医大の不正入試や研修医の過労問題は、何も変わっていない実態をさらけ出している。そういえば、あの頃はやった「総括」や「ナンセンス」も今や死語に近い。

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