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EU離脱で泥沼化の英国 誇り高き伝統は今いずこ

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 英国のことだから、最後はうまく着地してくれる。そんな考えはもはや幻想に過ぎないのか。

 英国の欧州連合(EU)離脱が、約100日後に迫っている。だが、どういう形で離脱するのか、いまだに見えない。むしろ混迷の度は増す一方である。

 英国は文化やスポーツから、規制、選挙制度に至るまで、世界に影響を与えてきた。マニフェストや党首討論など英国の事例を参考に日本が取り入れたものは少なくない。

 経済や人口の規模では日本の半分ほどだが、ソフトパワーとして存在感を示してきた。その伝統ある英国が、一体どうしたことか。

 外交交渉の難航は珍しくないことだ。交渉相手が27カ国にもなると、当然一筋縄では行かない。

 だが、今の英国の問題は、相手側とようやく合意に達した内容を、相当数の与党議員が真っ向から否定していることだ。議会の採決さえ見送らざるを得ない異常事態である。

 大きく二つの点で、与党の政治家はその責任を果たしていない。

 まず、自ら選出した指導者についてだ。国民投票後の保守党党首選には5人が立候補し、メイ氏が2位以下を引き離した。EU離脱派ではなかった同氏が選ばれ、離脱派を主導した候補は惨敗した。

 ところが、そのメイ氏がEUと合意にこぎつけると、内容を不服とした離脱強硬派は同氏の信任を問う与党内の採決に持ち込んだ。メイ首相の続投こそ決まったが、100人以上が不信任票を投じ、首相の指導力低下は避けられない情勢だ。

 もう一つの責任感の欠如は、離脱強硬派が現実的な代替案を提起していないことだ。離脱後について何の取り決めもないまま来年3月29日の離脱日を迎えると、貿易や金融市場が大きく動揺しかねない。

 中央銀行であるイングランド銀行は、リーマン・ショック時以上の衝撃が英経済を襲うと警告している。また、欧州内で台頭してきたナショナリズムの勢力を勢いづかせ、世界をより不安定なものにしてしまう懸念もある。

 野党も含め、非難し合っている場合ではない。誇り高き英国を取り戻すか、欧州の平凡な一国家に成り下がるかの瀬戸際なのだ。

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