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戦火のベトナム、脱出した姉妹(その2止) 戦乱越え一つの家族に

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ゴードンさん(左から4人目)の息子の結婚式に集まった「二つの家族」。リーさん(左端)、エミーさん(左から3人目)、スティーブンさん(同6人目)、テリーさん(右から2人目)=米中西部ミズーリ州で2017年4月、ゴードンさん提供
ゴードンさん(左から4人目)の息子の結婚式に集まった「二つの家族」。リーさん(左端)、エミーさん(左から3人目)、スティーブンさん(同6人目)、テリーさん(右から2人目)=米中西部ミズーリ州で2017年4月、ゴードンさん提供

 

 ◆ベトナムと米国、つないだ父の遺書

難民姉妹にかかる虹

 1975年4月29日、5歳だったリー・ニューン・ウィリアムズさん(48)と3歳だったエミー・マイ・グレイさん(47)姉妹は、ベトナム戦争で陥落直前のサイゴン(現ホーチミン市)から米国へ脱出、難民となった。米国人の父、ジェリー・ロジャースさんには、米国に妻と3人の子供がいた。66~73年、米軍を支援する航空会社「エア・アメリカ」のパイロットとしてサイゴンに勤務。ベトナム人女性と恋に落ち、姉妹が生まれた。

 南ベトナム政府軍の敗色が濃くなった75年1月16日、ロジャースさんは南部アラバマ州のアパートで拳銃自殺した。54歳だった。長男ゴードンさん(70)に宛てた8ページの遺書がある。

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