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エビフライ×介護の食卓 忘れない、夫の笑顔

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イラスト 佐々木悟郎
イラスト 佐々木悟郎

 夫が口腔(こうくう)底がんの手術を受けて間もない食事だった。体力を取り戻してほしいのに1時間半かけても食べきれない。諦めた姿を見てつい言ってしまった。「どうして食べられないの? わがままだよ」

 出されていたのは薄いおかゆと汁物、そして流動食のおかず。おかずを食べてみたが、おいしくない。「元気になるのは自分にかかっている」。料理研究家のクリコこと保森(やすもり)千枝さん(58)のおいしい介護食作りが始まった。

 電機メーカーで広報を担当していた頃、出版社のスキー旅行に誘われ、3歳年上で記者の章男さんと出会った。意志の強さや優しさに一目ぼれした。2人とも食べることが大好きで友人を呼んでパーティーを開き、国内外のレストランに通った。クリコさんに料理教室を開くよう背中を押したのも、新作を食べて助言するのも章男さんだった。

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