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セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ

めまぐるしく入れ替わった今年の世界王者。現行の世界ランキング制度は適切か(PGA Tour)

情報提供:PGA Tour

WEEKLY TOUR REPORT Vol.139

2018年はメジャーで勝利なしのローズの1位に「違和感」?

 米PGAツアーは、先日バハマで行なわれたタイガー・ウッズ(アメリカ)主催のヒーロー・ワールド・チャレンジ(非公式戦)をもって、年内の競技はすべて終了。10月にスタートした2018-2019シーズンの途中ながら、束の間の“オフシーズン”に入っている。

 さて、2018年のPGAツアーを振り返ってみると、最も大きな話題となったのは、やはり“タイガー・ウッズの復活勝利”だろう。プレーオフ最終戦のツアー選手権でツアー5年ぶりの優勝。ウッズの奮闘、そして最後に涙したウッズの姿に、世界中のファンが熱狂した。

 一方で、1年を通して興味深かったのは、世界ランキング1位の座に就いた選手の入れ替わりの激しさだ。今季はそれだけ、さまざまな選手が活躍したと言える。

 今年、世界ランキング1位になった選手は4人。ダスティン・ジョンソン(アメリカ)、ジャスティン・トーマス(アメリカ)、ジャスティン・ローズ(イングランド)、そして現在1位のブルックス・ケプカ(アメリカ)である。

 特に5月以降は、この4人によって1位の座が9度も入れ替わった。それほど僅差の争いが毎週繰り広げられていたわけだ。

 当初は、昨年から王座に君臨していたジョンソンが年明けのセントリートーナメントofチャンピオンズも制すなどして、圧倒的な強さを誇っていた。しかしその後、2月のホンダクラシックで優勝し、続くWGC(世界選手権シリーズ)メキシコ選手権で2位となったトーマスが躍進。5月のプレーヤーズ選手権を11位でフィニッシュしたあと、初めて1位の座を獲得した。

ジョンソンはすぐにトーマスから王座を奪還した Photo by Drew Hallowell/Getty Images

 ただ、トーマスの“天下”は短かった。ジョンソンが6月のフェデックス・セントジュードクラシックで約6カ月ぶりにツアー優勝を飾ると、陥落からおよそ1カ月でトップに返り咲いた。

 そのジョンソンから、次にトップの座を奪ったのは、ローズ。9月、プレーオフ第3戦のBMW選手権のあとだった。同大会ではキーガン・ブラドリー(アメリカ)とのプレーオフに敗れたものの、2週連続の2位となって初の世界1位の称号を手にした。

 そして、その2週後にはツアー選手権で3位となったジョンソンが再びトップの座を奪い返すも、10月に入って新シーズンが始まると、2018年に全米オープンと全米プロと2つのメジャーを制したケプカが、ザ・CJカップで優勝してついに世界一となった。

 以降、トップの座は週が変わるごとに、ケプカかローズの名に入れ替わっている。ふたりの争いがそれだけ熾烈、と考えることもできるが、ともにプレーしてなかった週に、どちらかが1位に返り咲くこともあって、最近では「ポイントシステムが不完全なのではないか」という批判の声も挙がっている。

 2017年の全米オープンでメジャー初優勝を飾ったケプカは、2018年も全米オープンを制して連覇を達成。さらに全米プロも勝って、メジャー大会で圧倒的な強さを披露してその活躍ぶりは際立っている。

 片や、ローズが光るのは“安定力”だ。2017-2018シーズンのPGAツアーでは、昨年10月のWGC HSBC選手権で幸先よく優勝したあとは、5月のフォートワース招待を勝っただけ。その分、ケプカほどのインパクトはないものの、ほぼ毎週のように優勝争いに加わって、2勝を含めてトップ10入りは11回を数える。それが、世界ランキング1位という成績につながっている。

ローズは安定した成績を残し続け、世界1位の座を掴み取った Photo by Stuart Franklin/Getty Images

 こうして、いずれも素晴らしい結果を残している。ともに世界ランキング1位にふさわしい存在ではあるが、やはりローズの結果には派手さが欠ける分、現状のシステムに異論を唱える者も少なくない。あるベテラン記者が言う。

「ローズは素晴らしいプレーを続けていたし、その強さは誰もが認めるところだ。だが、メジャー未勝利で世界ランキング1位、というのには違和感がある。ランキングについては、今のような週替わりではなく、たとえば月ごとの月間にしてはどうだろうか。あるいは、メジャー勝利のポイントをより多くするなど、改良すべきではないか」

 世界ランキングが初めてゴルフ界に導入されたのは、1986年のマスターズの週。このときは「ソニーランキング」という名称だった。それまで、IMGの創設者であるマーク・マコーマック(アメリカ)が独自に算出していたランキングを、「世界中のツアーから全英オープンへの出場を可能にするために」と、R&A(英国ゴルフ協会)が導入したのがきっかけだ。

 初代1位に就いたのは、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)、2位はセベ・バレステロス(スペイン)。世界中で開催されているゴルフツアーがポイント対象となっており、そこにはもちろん日本ツアーも入っていて、中嶋常幸が初代ランキングの7位に入った。

 その後、ポイントの加算システムについては何度も変更されてきた。結果が反映される期間は、当初4年から3年、2年と短くなっていき、直近の成績がより高く評価されるようになる。さらに、強い選手(ランキングの上位選手)が多く出場している大会で上位に入ると、より高ポイントを獲得できるようになっていった。

PGAツアーの会長は柔軟な制度変更を示唆している Photo by Streeter Lecka/Getty Images

 そして、1996年から現行の直近2年間での成績が有効となり、今ではこの世界ランキングによって、マスターズをはじめとするメジャー大会や、WGCなどの出場資格が得られるようになっている。

「(世界ランキングは)決して完璧なシステムではない。ゆえにそのつど、いいと思われる方向に改良されている」

 そう語るのは、ジェイ・モナハンPGAツアー会長。今後も何かしら問題が浮上すれば、柔軟に対応して改良されていくことだろう。

 何はともあれ、現在の世界ランキングにおける僅差の争いは、2019年序盤も続いていくに違いない。そうして、いつかは誰かが抜きん出て、不動の王者として君臨する日が来るかもしれない。

 いずれにせよ、来年以降も王者争いは必見だ。それが、ファンにとって面白い争いであることを期待したい。


情報提供:PGA Tour

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