メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞
アスリート交差点2020

再現力 集中力磨き、記録上積み=陸上・山縣亮太

 2018年は高いレベルで記録が安定していました。6月の日本選手権で10秒05の大会タイ記録を出して5年ぶりに優勝し、8月のジャカルタ・アジア大会は自己タイ記録の10秒00で銅メダル。1試合ずつ内容が良くなった今季を振り返ります。

 日本選手権は初日に予選、準決勝があり、2日目の決勝は体がバキバキでした。疲労がたまった状況でも決勝で課題のスタートが決まったのは集中力が高かったからです。

 初日の夜、いつものように自分のレース映像を繰り返し見ました。フォームが理想と違うからといって、形だけを矯正しても良くならないので、振り返るのは難しいです。準決勝は隣の小池祐貴選手が見えていた。集中していれば、隣の選手は並んでいても見えません。一番修正すべきポイントを精査し、一つに絞ります。この時はスタートからスピードに乗るため、「もっとゴールだけのことを考える」と意識し、決勝に臨んだことが優勝につながりました。

 アジア大会は今季、最も体の感覚と記録にギャップがあった試合です。大会前に調子が落ち、焦りから練習を増やしたところ疲労がたまってしまいました。コンディションが上がらず、決勝と同日にあった準決勝直後も正直良くはありませんでした。決勝は「とにかく力を出し切る。スタートで勝負を決める」と臨んだ結果、10秒00でした。

 決勝で記録を出せたのは、「ラスト1本」だったことが大きいです。準決勝までは先のことを考えますが、決勝は「捨て身のレース」で、スタートから集中できました。100メートルの場合は30メートルまでが1次加速で、その後の2次加速でトップスピードに乗っていく。これまで、そのプランで考えていましたが、アジア大会では少し変化させたことでうまくはまりました。レースを通して、どれだけ自分の力を出せるかということを意識するようになりました。

 今季、「気持ちにスイッチを入れる」ことを理解できるようになってきました。集中力を高めることでタイムの上積みを見込める。集中力も技術だと思います。(あすはカヌー・羽根田卓也です)(タイトルは自筆)


 Q 連戦時の切り替えは

 8月にパンパシフィック選手権で優勝したことで、直後のアジア大会に気持ちを高めて臨むのが難しかったです。連戦の場合、どう気持ちを切り替えていますか。競泳・渡辺一平からの質問

 A 「心技体」という通りで、体の疲労度と気持ちの盛り上がりはリンクします。良い結果や記録を出したレースの直後は体へのダメージが出て、気持ちも盛り上げにくくなるものです。逆に体の状態が良い時は、自然と心も良い状態になると思います。連戦で気持ちが上がらない時こそ、「心」だけではなく「体」のケアにも目を向けてはどうでしょうか。


 ■人物略歴

山県亮太(やまがた・りょうた)

 広島市出身。2015年セイコーホールディングス入社。16年リオデジャネイロ五輪400メートルリレー銀メダル。昨年9月に日本歴代2位タイの10秒00を出した。26歳。