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札幌・豊平の爆発事故

スプレー100個、ガス引火か 不動産店「湯沸かし器つけた」

雪の降る中、現場検証を続ける捜査員や消防隊員ら=札幌市豊平区で2018年12月17日午前11時26分、貝塚太一撮影

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札幌市の現場

 札幌市豊平区の飲食店などが入居する木造2階建てビルで16日夜に起きた爆発事故で、1階に入居する不動産店の従業員が「100個以上の除菌消臭スプレー缶のガスを抜いた後、手を洗おうと湯沸かし器をつけたら爆発した」と証言していることが捜査関係者への取材で明らかになった。北海道警は、建物内に充満したガスに引火したとみて詳しい経緯を調べている。

     道警などによると、爆発事故の負傷者は、店内で食事などをしていた1歳から60代の計42人。このほか、周辺のマンションなど28棟と車両24台の窓ガラスが割れるなどした。行方不明者はいない。

     爆発が起きたのは築40年以上の「酒井ビル」(延べ床面積約360平方メートル)で、1階には不動産仲介業「アパマンショップ平岸駅前店」、飲食店「海さくら平岸店」、整骨院の3店が入居。アパマンショップと海さくらの2店部分が大破し、路上に崩落、全焼した。

     道警は当初、「海さくら」で爆発が起きたとみていたが、その後の捜査で「アパマンショップ」で起きたとみている。

     現場からはスプレー缶が見つかっており、道警は、アパマンショップの従業員が火の気のある屋内でガスを抜いた理由などを調べている。市消防局によると、建物裏側に各店舗用のプロパンガスのボンベが計9本あったが、目立った損傷は見られなかった。

     一方、爆発直後に火災が広がる中、海さくら2階にいた多くの人たちは間一髪、命を取り留めた。家族らと食事をしていた自営業の男性(49)によると、2階には約20人がいた。爆発から5分後、炎があっという間に広がった。「逃げ場がない」とパニックに陥ったとき、突然床が抜け落ちたという。「床が抜けなかったら、あのまま焼け死んでいたかもしれない」と声を震わせた。【真貝恒平、澤俊太郎、源馬のぞみ】

    国は「穴開けぬよう」通知 抜く場合、通気よい屋外で

     スプレー缶の多くは薬剤と共に噴射剤として可燃性のLPG(液化石油ガス)やジメチルエーテルを充填(じゅうてん)している。使用済み缶のガス抜きが原因となった火災は全国各地で起きており、環境省は2009年以降、スプレー缶のごみ出しで市民が廃棄する際は「穴開けをしない方向が望ましい」と全国の市町村に通知している。しかし、札幌市では14年3月と15年5月、室内での穴開け作業が原因とみられる火災で計3人が死亡した。同市は17年7月から市内全域で、家庭ごみのスプレー缶は穴を開けずに回収している。

     一方、企業が排出する事業系ごみは民間業者が収集する。札幌市の業者は「安全確保のためガスを抜いてもらっている。同様の対応の業者が多いのではないか」と証言。今回の不動産店からの廃棄物は事業系ごみとなる。

     国民生活センターは、ガス抜きをせずに廃棄できないか確認し、どうしてもガスを抜く場合は中身が空になっているのを確認して屋外で火気のない通気の良いところで行うよう呼びかけている。【日下部元美】

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