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不幸中の幸い 「偶然」重なり…死者なしの「なぜ」 札幌爆発事故

爆発した建物。写真左手前の不動産店は跡形もなく、中央の居酒屋も爆発と火災で大きく損壊した=札幌市豊平区で2018年12月16日午後10時37分、貝塚太一撮影

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 札幌市豊平区の飲食店などが入居する2階建て建物で16日夜に起きた爆発事故で、当時建物内に40人以上がおり、爆発現場とみられる不動産店が跡形もなく大破したにもかかわらず、犠牲者は出なかった。避難者の証言や専門家の分析では、爆発から本格的な炎上まで10分程度の時間がかかったことに加え、壁が壊れ、床も抜けたため、火勢が増すまでの間、脱出できる偶然が重なったとみられる。

爆発した建物。写真左手前の不動産店は跡形もなく、中央の居酒屋も爆発と火災で大きく損壊した=札幌市豊平区で2018年12月16日午後10時37分、貝塚太一撮影

 木造2階建ての「酒井ビル」は壁で隔てられた3店が連なる構造。当時、南側の不動産店に2人、中央の居酒屋「海さくら平岸店」に40人以上がおり、ほぼ満席だった。

 2階にいた複数の利用者などによると、爆風でまず外壁があちこちで崩れた。居酒屋1階の約20人は道路側の入り口から脱出。約5分後には不動産店に近い壁付近で出火した。1階への階段に近づけず、2階の壁が壊れた部分から飛び降りる人もいたが、避難しにくくなった。しかし、その約5分後、2階の床が抜けるなどしたため、地面に下りやすくなり、間一髪で全員が外に脱出できたという。

 2階で飲食中だった男性(49)によると、壁の断熱材などに火が燃え移ると、炎が一気に広がったという。男性は「爆発後5分間くらいは命の危険を感じなかったが、炎がどんどん広がり、多くの客が不動産店側と反対側に逃げたところ、床が落ちた」と話した。

 東京理科大の菅原進一名誉教授(建築防災)は「コンクリート造りの建物は頑丈で爆風がこもって大規模に破壊された場合の威力が増しやすいが、木造で爆風が外に抜けやすかった。床や壁の崩壊で避難しやすくなった偶然も重なり、死者を出さずにすんだのではないか」と分析した。

 札幌市消防局などによると、爆発で不動産店の店長が重傷、居酒屋の利用者と従業員、住民ら40人は軽傷。【源馬のぞみ、三沢邦彦】

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