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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『新・東海道五十三次』武田泰淳・著

◆『新・東海道五十三次』武田泰淳・著(中公文庫/税別920円)

 1969年上半期に新聞連載されていた、武田泰淳(たいじゅん)&百合子夫妻のドライブエッセーが、この度、復刊。ハンドルを握り、車を走らせるのは百合子で、道中を助手席の泰淳が記録する。この本には、交通事故発生件数の推移を表すグラフを添えたくなる。たとえば昨年のその数は47万件だけれど、当時は72万件を超えていた。作中にも事故のエピソードは数多(あまた)登場し、こちらの肝を冷やす。加えて、女の人が運転席に腰掛けている状況がまだ当たり前でないなどと、背景が今とはかなり異なるのだった。

 道中の風景はどんなだったか、それを百合子はどんなふうに見つめたか、泰淳はスケッチするみたいに書く。また、訪れる土地にまつわる互いの来し方を、出会う前に遡(さかのぼ)り、振り返る。だから、旅行記というよりも、夫婦のアルバムのようでもある。

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