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師走の一夜、落語好きの国会議員のセンセイたちと寄席を楽しんだ。江戸庶民の喜怒哀楽、それを珠玉の話芸で味わい、一杯やろうという趣向。ああ、笑いの力は偉大なり! 盛り上がらぬ言論の府とは打って変わり、談論風発の場となったのだが--。【鈴木琢磨】
東京・上野にある鈴本演芸場、夜席ゆえ、すでに軽くひっかけてきたのか、ご機嫌な客もいれば、弁当を広げ、くつろぐ常連らしき客もいる。いつもの風景だが、13日はいささか違った。あちこちに胸に金バッジをつけたスーツ姿の紳士が緊張気味に舞台を見つめている。11月20日に発足したばかりの自民党国会議員有志による「落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会」(落語議連)の第1回実演鑑賞会の参加者だった。
若手の落語あり、ほんわか風味の手品あり、モリ・カケ問題をいじる漫才あり、粋な小唄あり。席が温まったところでトリは柳家権太楼師匠の「芝浜」。酒に目のない魚屋の熊さん、浜で50両の入った財布を拾うが、亭主がまたダメになると案じた女房、それは夢とウソをつく。腑(ふ)に落ちぬまま、熊さん、商いに精を出す。3年後の大みそか、障子と畳を替え、ささやかな幸せをかみしめる女房が真実を打ち明け、亭主に酒を勧めるが…
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