美術

この1年 「節目」意識する出来事相次ぐ

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中谷芙二子の「霧の彫刻」。水戸芸術館で開催中の個展(来年1月20日まで)で実演している=永田晶子撮影
中谷芙二子の「霧の彫刻」。水戸芸術館で開催中の個展(来年1月20日まで)で実演している=永田晶子撮影

 「平成最後の○○」が後半は随所で聞かれた今年、美術の分野でも「節目」を意識させられる出来事が相次いだ。

 その意識は観光、芸術文化による「立国」を目指す政府が美術や文化財の活用へかじを切ったことにも起因する。端的に表れたのが今年6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」。「稼ぐ文化」への展開をうたい、国立施設の機能強化や国内美術市場の活性化を掲げるが、美術館を含む社会の文化基盤に脆弱(ぜいじゃく)さが見える中での転換を危惧する美術関係者は多い。

 政府が主導しパリで多彩な日本文化を8カ月間紹介する「ジャポニスム2018」も今夏始まった。その一環でルーブル美術館で展示を行う人気美術家の名和晃平が先月、シンポジウムで語った言葉に考えさせられた。「今まで制作した約2000点の8~9割が海外に買われ、国内に残っているのは1割程度」。本物と接する機会が減れば裾野は広がらず、作家も育たない。過去、現代作品を問わず、貴重な文化財が未来へ確実に引き継がれ…

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