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社説

中国の改革・開放40年 置き忘れられた政治改革

 中国が改革・開放政策を始めて40年を迎えた。破綻寸前だった国家を世界第2位の経済大国に発展させた政策は歴史的な成功と評価できる。

     しかし、中国が巨大化するにつれ、現行国際秩序との摩擦も増えている。新冷戦を思わせる米中の貿易戦争が典型的だ。さらなる発展には衝突を避ける節度も必要だ。

     40年前、事実上の最高指導者になったトウ小平氏は混乱と停滞をもたらした「文化大革命」の反省に立ち、現実的な政策で経済力を強化し、民生を向上させる方針を打ち出した。

     それが改革・開放政策だ。市場経済や民営企業の容認、外資導入を進めて輸出振興に成功し、「世界の工場」と呼ばれる発展を成し遂げた。

     習近平国家主席は式典で「不可能が可能になった」と誇った。高速道路、高速鉄道が全土に広がり、高層ビルが建ち並ぶようになった変化を考えれば、その通りだろう。

     だが、変わらなかったものもある。共産党の一党支配だ。改革初期には政治改革が唱えられたこともあったが、1989年の天安門事件で頓挫した。習氏は「党が全てを指導する」と統制を強化している。

     習氏は「中国の発展は世界と分離できない。世界の繁栄にも中国が必要だ」と主張する。40年間の発展に日米など国際社会との良好な関係が寄与してきたことは疑いない。

     しかし、中国の軍事力、技術力の発展は不信感も生んでいる。中国が発展すれば、価値観の違いも狭まると関与政策を取ってきた米国には失望感が広がっている。

     習氏は「永遠に覇権を求めない」と強調するが、他国の信用を得るには脅威感を与えない努力も必要だ。

     例えば、軍事やサイバー、宇宙などの分野で新たな国際ルール作りに取り組んだり、政策決定や司法の透明度を高めたりすれば、他国の信頼を高めることにつながるだろう。

     格差拡大や少子高齢化など取り組むべき内政課題も少なくない。日米など国際社会との良好な関係がなければ、一層の発展は難しくなる。

     習氏は「初心を忘れない」とも述べている。世界の知恵を取り入れ、大胆な改革を進めた先人に学び、現実主義に立った新たな改革に取り組んではどうか。置き忘れられた政治改革も排除すべきではない。

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