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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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第3部 企業はいま/4 「米軍のもの」に危機感 金集まらぬベンチャー 革新機構出資で軌道に

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三輪玄二郎社長
三輪玄二郎社長

 <科学の森>

 「面白い研究だからぜひ我々の補助金を出させてほしい。必要な金は全て出す」。2012年夏、再生医療ベンチャー「メガカリオン」(京都市)の三輪玄二郎社長(67)のもとを在日米国大使館の関係者が訪れた。米国防高等研究計画局(DARPA)の意向だと明かし、こう続けた。「その代わり、知的財産権は全て米国のものになる」

 DARPAが目を付けたのは、健康な人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から大量の血小板を作る同社の技術だ。血小板は止血作用のある血液成分の一種。三輪さんは「戦争で負傷した兵士の治療に役立てようとしているのだろう」と思ったという。

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