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東京へ ともに歩む

毎日新聞
アスリート交差点2020

記憶に残るスイマーへ 冬の練習、成果着実に=競泳・渡辺一平

 気が付けば年の瀬で、卒業論文を執筆しながら来シーズンに向けた準備を進めています。この冬は毎回の練習で全力で泳ぎ切ることをテーマにしています。練習を終えた時には体の中のエネルギータンクが空っぽになるくらい気合を入れています。

     冬場のトレーニングは成長への大きなステップと言えます。2シーズン前は泳ぎ込みの成果が、年明けの大会での世界新記録につながりました。その時と近い感覚で今は練習に打ち込めています。

     得たいのは自信です。「自分はここまで厳しい練習をしてきたんだ」と思えることで、本番のスタート台に自信を持って立てます。このまま練習を積めば、来年4月の日本選手権で世界記録を更新できる手応えもあります。

     一方で、週2回のウエートトレーニングでは、負荷のかけ方を見直しました。体のどの部分に力が伝わっているかなど自らの泳ぎの特徴を大学で研究した結果です。日本代表の男子選手はベンチプレスで80キロや90キロを上げますが、50キロほどで可動域をしっかり出せるフォームを意識する程度にしました。

     自分はパワーに頼らず、ストローク(腕のかき)などによる推進力で勝負する泳ぎなので、筋肉を付けすぎることで余計な力みが出て、水の抵抗を受けるのを避けるためです。水泳選手ですから、陸上ではなくいかに水中で力を伝えられるかが重要です。水中で体にチューブを付けて引っ張る力を測定した際、ベンチプレスで自分の倍以上のウエートを上げる選手よりも、逆に倍近い数値で勝っていることを確認できました。

     成果も表れています。11月の短水路(25メートルプール)で争うワールドカップ(W杯)東京大会では400メートル個人メドレーで自己ベストを更新し、翌々週の記録会では100メートル平泳ぎで今夏よりも速いタイムを出すことができました。

     振り返れば、今年はけがや体調不良で練習を十分に積めない状態で、夏の主要国際大会に臨むことになりました。悔しさを味わい多くのことを学んだ一年を教訓に、五輪前年となる来年が飛躍のシーズンとなるよう精進します。(あすはバドミントン・奥原希望です)(タイトルは自筆)


     Q 推進力どう生む?

     競泳とカヌーは同じように水をかくことで推進力につなげていますが、より大きな推進力を生むため、何を一番に心がけていますか。カヌー・羽根田卓也からの質問

     A 非常に難しい質問ですね。平泳ぎのストローク(腕のかき)では引き寄せる際に肘を立て、水をかく面積をいかに広く確保するかを意識しています。肘が立っていない状態ではうまく水をつかむことができません。カヌーでも同様だと思っています。パドルを立てながらこいでいる姿を見て参考にしています。


     ■人物略歴

    わたなべ・いっぺい

     大分県出身。佐伯鶴城高3年時の2014年ユース五輪男子200メートル平泳ぎで金メダル。同種目で、16年リオデジャネイロ五輪6位、17年1月に2分6秒67の世界記録を樹立した。早大4年。21歳。