遠のく財政健全化 19年度予算案101兆円

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一般会計総額
一般会計総額

 「経済再生と財政健全化の両立を図れた」。麻生太郎財務相は21日の閣議後記者会見で、そう自賛した。19年度予算案は、増税対策が膨らみ総額が100兆円の大台を突破したが、新規国債発行額を9年連続で減らしたためだ。

 だが、その背景には税外収入を増やす裏技がある。税外収入は前年度当初比1・4兆円増の6・3兆円と大幅に増加したが、預金保険機構にたまっている剰余金から8000億円を繰り入れたほか、国が保有するNTT株の売却で1500億円をひねり出してかき集めた。これらがなければ、新規国債発行額は9年ぶりに前年度を上回っていた可能性が高い。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「国の資産を食いつぶして国債発行の減少を『演出』しただけだ」と指摘する。

 歳入の柱である税収も強気に見積もっている。財務省は、消費税増税に加え、企業業績改善による法人税の増加などでバブル期を上回る過去最高の62・5兆円を見込む。だが、見積もりの前提となる19年度の経済成長率の見通しは実質1・3%と高めに設定。民間エコノミストらの多くは先行き不透明な海外経済の情勢を織り込み1%を下回る成長率を予測しており、財務省の思惑通り税収が増える保証はない。

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