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村上陽一郎・評 『マリアン・アンダースン』=コスティ・ヴェハーネン著、石坂廬・訳

 ◆石坂廬(いおり)訳

 (アルファベータブックス・2160円)

ピアニストが温かく捉えた実像

 一人の歌好きの少年の耳に、深みのあるアルトの声がラジオから響いてきた。シューベルトの『魔王』。魔王の甘やかな猫なで声と、本性を露(あら)わにした時の声を二つと数えれば、五つの違った声を使い分けなければならないこのバラードの、ドラマ性を見事に表現した歌に、少年は魂を激しく揺さぶられたのだった。少年とはかく言う私、声の主は、今では識(し)る人も少なくなった、アメリカの、黒人のコントラルト歌手マリアン・アンダーソンである。

 本書は、マリアンの楽旅を、ピアノ伴奏者として長く倶(とも)にしていたフィンランド出身のピアニストの…

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