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いのちのほとりで

/9 「物語」を聞き取る困難さの先にあるもの

隔月末、診療所で開かれる勉強会「ソンダースの家」。深刻なテーマも、カフェ形式で和気あいあいの雰囲気になる

 千葉市中央区の国立病院機構「千葉医療センター」にほど近い「さくさべ坂通り診療所」では、2カ月に1度、月末の日曜日の午後に20人以上の医師、看護師、ケアスタッフらが集まって開かれる勉強会がある。名前は「ソンダースの家」である。「現代ホスピスの母、創始者」といわれる英国人医師シシリー・ソンダースにちなんでつけられた。終末期のがん患者が抱える苦痛は身体的なものだけでなく、社会的、心理的、そしていのちや死を問うスピリチュアルなものもある――。ソンダースが提唱した「トータルペイン(全人的な苦痛)」の考え方に基づくケアについて、学び合っている。

 病院で「治療法はこれ以上ない」と告げられ、いのちの危機を実感している患者にとって、医療的麻薬で身体的な痛みを取るのは有効である。そのスキルは医者には要求される。だが、それと同時に、患者が強く感じている焦燥感や疎外感、不安や気がかりなこと、あるいはもっと根源的な「何のために生きてきたのか」とか「どうして自分はがんなのだろう」という思いに対して、医療者は理解と共感を持たなくてはならない。それをソンダ…

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