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社説

介護職の待遇改善 人材確保に有効な活用を

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 来年10月の消費税10%への引き上げに伴い、勤続10年以上の介護職員の賃金が月額約8万円増額される。

     昨年末に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」で介護職員の待遇改善のために消費増税による財源から約1000億円を充てることが盛り込まれていた。これに保険料などからの財源を加え、計2000億円が投じられる。

     介護職の不足は深刻だ。都市部では特別養護老人ホームの新設が進められているが、せっかく作っても働く職員が確保できないため空床のある施設も増えている。

     介護職員の平均月給(賞与含む)は27万4000円で全産業平均36万6000円を約9万円下回っている。政府は2009年度から段階的に賃金の改善に取り組んでいるが、好景気に伴って他業種の賃上げが進んでいるため格差は縮まらない。

     今回の待遇改善では、介護福祉士などの資格を持つベテラン職員の大幅な賃金引き上げを目指す。

     職員の離職が相次ぎ、支援スキルの蓄積や人材育成が困難な現場は多い。経験を積んだ職員が、介護の仕事を続けながら安心して結婚や出産ができる人生設計のモデルを確立することが狙いだ。

     ただ、新規参入の事業所の中には勤続10年以上の職員がいないところもある。若手職員からはベテランとの賃金格差が著しくなることへの不満も聞かれる。

     福祉業界の特色として、能力の高い職員がやりがいのある職場を求めて転職するケースが多いことが挙げられる。別の職場での勤務歴も含めた通算の勤続年数を基準にすべきだろう。職場の実情にあった待遇改善ができるよう、賃上げの配分について経営者の裁量を認めることも必要ではないか。

     これまでの政府の待遇改善策では、賃上げの実感がもてないという職員が6割以上もいるとの調査結果がある。その半数程度は管理者や上司からの説明不足が理由という。

     「困ったときに相談できる人がいない」「法人の理念がわからない」なども離職の理由には多い。

     多額の公費を投じて待遇改善をする以上、人材確保や離職防止に成果を上げねばならない。問われているのは経営者の統治力と意欲だ。

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