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東京へ ともに歩む

毎日新聞

女子ダブルス1回戦でストレート勝ちした早田ひな(奥)、伊藤美誠組=仁川で、共同

アスリート交差点2020

今を楽しむ 4年前の優勝生きた=卓球・伊藤美誠

 今年最後の試合は、ひな(早田ひな)とのダブルスでした。ワールドツアーの上位選手で争うグランドファイナル(GF)で4年ぶりに優勝できました。実力で勝てたのは本当に自信になります。

     4年前は美宇ちゃん(平野美宇)と組んでの優勝。その年は3月のドイツ・オープンで13歳の史上最年少ペアで初優勝し、そのまま波に乗りました。だからGFで優勝した時は本当に驚きました。

     ひなも2年前に浜本由惟選手とのペアで優勝しましたが、どちらのGFにも中国選手は出場していませんでした。今回は違います。しかも決勝で対戦した中国ペアには先月のオーストリア・オープンに続いての勝利。とても価値があります。中国選手は負けたら必ず対策を講じてきますが、私たちはそれを上回る力を付けたと言えるからです。

     ダブルスがおもしろいのは実力のある選手同士のペアが必ず強いとは限らないこと。相性やコミュニケーションのほか、練習による息の合った動きも大切。誰でも勝つチャンスがあります。

     交互に打つダブルスは左利きと右利きのペアが良いと言われます。同じ利き腕だと、素早く動かなければぶつかりやすいからです。3月のカタール・オープンで美宇ちゃんと久しぶりに組みましたが、お互いに背が伸びたので前のように速い動きが難しいと感じました。左利きのひなとは昨年から組むようになりましたが、最初からやりやすいと思いました。例えば、私がレシーブで相手を崩して、パワーのあるひなが決めるというように、うまくはまりました。

     ダブルスで忘れられない大会を三つ挙げるとすれば、ひなと優勝した昨年のスウェーデン・オープン。決勝では朱雨玲、陳夢組という世界1位、2位(当時)ペアに勝ちました。そして今年のGF。三つめは美宇ちゃんと初優勝したドイツ・オープン。あの優勝の経験があるから、今があります。東京五輪の団体戦のダブルスは第3試合ではなく、第1試合になるそうです。流れをつかむ試合ということで、さらに重要になります。ダブルスにもご注目ください。(あすは柔道・松本薫です)(タイトルは自筆)


     Q 覚醒のきっかけは?

     11月のスウェーデン・オープンのシングルスでは、中国の強豪3選手を破って優勝しました。覚醒したきっかけを教えてください。カヌー・羽根田卓也からの質問

     A 実は、あの大会は調子が良かったわけではありません。決勝で対戦した朱雨玲選手には120%の力を出せましたが、2回戦はシンガポール選手に負けそうでした。苦しい試合を乗り越えたからこそ、次の準々決勝からは中国3選手と思い切り戦うことができました。決勝の爆発的な力をいつも出せれば五輪女王になれると思いましたが、良い時は長く続きません。良くない時にいかに力を出すか。目の前の相手に集中することが大事。覚醒というよりも、少しずつ強くなったから勝てたと思います。


     ■人物略歴

    いとう・みま

     静岡県磐田市出身。2015年3月のドイツ・オープンでツアー史上最年少(当時)の14歳152日で優勝。16年リオデジャネイロ五輪団体銅メダル。18年全日本選手権3冠達成。スターツ所属。18歳。