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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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都会に暮らす 海浜ニュータウンから/1 団地40年、都会の過疎 若者さらに都心へ

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妻を乗せた車いすを押して買い物に出かける内山義彦さん=千葉市美浜区で12月17日、宮間俊樹撮影
妻を乗せた車いすを押して買い物に出かける内山義彦さん=千葉市美浜区で12月17日、宮間俊樹撮影

 団地を吹き抜ける師走の風に背中を丸めながら、車椅子を押す。千葉市美浜区の海浜ニュータウンで暮らす内山義彦さん(78)の朝の日課だ。

 鉄鋼関連会社に勤めていた内山さんは1974年、2DKの賃貸に入居した。4700戸の大団地だった。同世代が背広姿で一斉に都心へ出勤し、子供2人が通う幼稚園からは笑い声が響いた。「この街は開ける」。希望が膨らんだ。

 しかし、間もなく妻(73)が体調を崩す。内山さんは働きながら、入院や通院を支えた。仕事を終えた10年ほど前から家事も担う。

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