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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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都会に暮らす 海浜ニュータウンから/2 在宅医、老いる街支え

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訪問先で患者の男性の話に耳を傾ける医師の井坂茂夫さん=千葉市稲毛区で、渡部直樹撮影
訪問先で患者の男性の話に耳を傾ける医師の井坂茂夫さん=千葉市稲毛区で、渡部直樹撮影

 11月22日、夕闇迫る千葉市美浜区の海浜ニュータウン。白衣の井坂茂夫さん(68)が看護師と向かったのは団地4階の一室だった。「あらお迎え? 寒い風に当たっちゃダメだよ」。玄関前で待っていた女性に声をかける。

 女性は89歳で1人暮らし。脳腫瘍で通院していたが、10月から井坂さんの訪問診療を受ける。「外出先で発作が起きた時にも先生は駆けつけてくれた」

 井坂さんは千葉大を卒業後、泌尿器科専門医としてメスを握った。若い頃は「自分の手術で治してやる」と最先端医療に没頭した。

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