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平松 洋子・評『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』
2018/12/25 18:01(最終更新 12/25 18:01)
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フランス人アーティストの冒険。伝統工芸に新たな息を吹き込む
◆『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』フィリップ・ワイズベッカー/著 貴田奈津子/訳(青幻舎/税別2000円)
旅先で、ふとしたとき郷土玩具に出会うことがある。料理屋で、旅館の玄関先で、資料館や美術館の陳列棚で。
その土地に伝承される、ごく小さな工芸品。掌(てのひら)にのせると、手なぐさみに作られたのではなく、職人の確かな技術によって生み出されたことが伝わってくる。意匠や彩色にしても、素朴さや郷愁だけでは片づけられず、作り手への敬意を感じることしばしばである。
その郷土玩具を訪ねて、あの人が日本各地を訪ね歩いたのだから、わくわくしてくる。
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