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社説

米国発の世界的株急落 大統領自らが重大リスク

 とんだクリスマスプレゼントとなった。週末をはさんだ米国発世界同時株安である。連休明けの東京市場でも日経平均株価が1000円以上下落した。

     速いペースで進行した株価上昇がついに限界に達した面もあろう。2008年の金融危機後に各国の中央銀行が実施した大規模金融緩和は、市場に投機マネーを注ぎ続けた。その緩和の修正が米欧で本格化し、市場が転機を迎えるのは時間の問題との指摘もあった。

     しかし、混乱をことさら増幅させた問題が別のところにある。トランプ米大統領だ。

     米連邦準備制度理事会(FRB)が景気の過熱を防ぐため政策金利を段階的に引き上げる中、トランプ政権は大型減税で景気を刺激した。

     そこへ対中貿易戦争に代表される保護貿易政策が加わり、世界経済の減速懸念が強まった。

     さらに、米連邦政府の一部機関が閉鎖に追い込まれているが、これも大統領発だ。メキシコとの国境に築く壁の予算を巡り、議会内の対立が続くためだが、壁建設を強く求めたのは、他ならぬトランプ氏である。

     ただ、何より歴史に禍根を残しかねない深刻な問題は、トランプ氏による中央銀行たたきだろう。

     FRBは先週、今年4回目となる利上げを実施したが、大統領は直前までとどまるようツイッターで圧力をかけた。FRBが利上げを決行すると、強い口調で非難。かつて自ら選んだパウエル議長の解任を模索しているとの報道まで流れた。

     中央銀行が政治家の支配下に置かれると、選挙を意識した景気浮揚策が優先され、結果として経済が不安定になりがちだ。そうならないよう、政治から独立した組織になっている。不満はあっても政治指導者は、中央銀行に圧力をかけたりしないというのが、人類が重い犠牲を払った末に学んだ原則だ。

     「米経済にとって唯一の問題」「市場がわかっていない」。トランプ氏によるFRB攻撃の例だが、むしろ大統領のことを言い当てた表現ではないか。

     日本経済も揺さぶられる事態だが、冷静さを欠く株価対策に走ってはならない。効果は続かず、将来の負担を増やすだけである。

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