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熊本の農家、イノシシ肉をネット販売 車椅子の男性店長が活躍

パソコンの前で「販売面で結果を出して農家ハンターの活動を支えたい」と話す宮川誠さん=熊本県宇城市で2018年12月4日、福岡賢正撮影

 深刻化するイノシシ被害から田畑を自衛するため熊本県内の若手農家たちが作る「くまもと☆農家ハンター」が、箱わなで捕獲したイノシシの肉を販売するためのネットショップを「楽天市場」に開設した。店長としてホームページ作成から受注、商品の手配、発送まで手がけるのは頸椎(けいつい)を損傷して車椅子生活を送る同県宇城(うき)市三角(みすみ)町戸馳(とばせ)島の宮川誠さん(40)だ。

     誠さんは農家ハンターの代表で洋ラン農家の宮川将人(まさひと)さん(40)と幼稚園から中学校まで同級生で隣同士。農協職員だった21歳の夏、自宅近くの砂地の海にいつものように飛び込んだところ、砂が人工的に補充されて浅くなっていたため頭部を強打して首の骨を折り、四肢まひに陥った。1年間の入院とリハビリの結果、何とか両腕が動くようになり、自力で車椅子での移動と車の運転ができるまで回復した。

     退院してパソコンを使った自活の道を探っていた頃、米国留学中の将人さんが国際電話をかけてきた。「これからはインターネットの時代。勉強しておいた方がいいよ」。離れていても気にかけてくれる友の気持ちがうれしかったという。

     助言を受けて研さんを重ねた誠さんは28歳の頃、ミカンやデコポンなど熊本県の農産物を販売するネットショップを個人で開設。2年後に楽天市場に軒を移し、母克枝さん(75)に手伝ってもらいながら年間約4000件の受注をさばいてきた。

     克枝さんが両膝に人工関節を入れるなど体力的にきつくなり、親子で仕事を続けることに限界を感じた誠さんは今春、将人さんに相談。駆除したイノシシを土に埋めて捨てるのではなく、食肉として利用することで「生かす」道を探っていた将人さんは、誠さんのスキルを買って農家ハンターのネットショップ運営を依頼した。

     ショップでは「畑の農産物を食べて肥えた」イノシシの肉とその加工品のほか「イノシシ被害を免れて収穫された」ミカンやニンジンなどの農産物、将人さんや誠さんの後輩や同級生が養殖した車エビやトラフグなどの商品を扱っている。

     けがの後遺症で体温調節ができず、夏場に体調を崩すことが多いという誠さんは「自分は捕獲の現場には行けないが、販売面で実績をあげ、農家ハンターの活動が経済的に持続できるよう支えたい」と意欲を燃やす。【福岡賢正】

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