メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

中国は春秋戦国時代、晋の景公の病が重く…

[PR]

 中国は春秋戦国時代、晋の景公(けいこう)の病が重く、名医・緩(かん)を招く。緩が着く前に景公は夢で2人の童子が話すのを見た。「良医が来る。逃げよう」「肓(こう)と膏(こう)の間にいれば平気さ。医者にはどうしようもない」▲肓とは横隔膜の上、膏は心臓の下のこと。景公を診た緩は病はもう膏肓にあるので、治せないと言った。夢で病の精が言った通りの診断に景公は緩をほめ、厚遇して帰した。よく「こうもう」と誤読される「病(やまい)膏肓(こうこう)に入(い)る」の故事だ▲さて、こちらの王は悪いことを知らせる者をただちに排除しそうである。トランプ米大統領の独断と短慮の暴走がいよいよひどくなり、「病膏肓に入る」の様相を見せている。こちらの膏は安全保障、肓は金融経済といえそうである▲世界が震えたのは安保・外交面で政権の重しとなってきたマティス国防長官の辞任だろう。米軍のシリア撤退に抗議、同盟国に敬意を払うよう訴えた辞任だが、政権に残る最後の良識派の退場が同盟国などに与えたショックは大きい▲そして国境の壁の予算をめぐる議会との対立による政府機関の一部閉鎖。さらに連邦準備制度理事会(FRB)への攻撃と財務長官の的外れな対応が市場に不安を広げての世界同時株安である。打つ手すべてが混乱と疑念を増幅した▲一つ間違えば取り返しのつかぬ政権の膏と肓である。株暴落には当人も戦慄(せんりつ)したろうが、愚行の歯止めは自ら取り払ってしまった。来月は任期の折り返し点、先行きを思えば空恐ろしいトランプ政権第2幕である。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 海からイノシシ、窒息死させて返り討ち 長崎の50代男性に警察官もビックリ

  2. 声優の後藤淳一さんがバイク事故で死亡 「名探偵コナン」など出演

  3. 難病を紹介する動画 人気声優が拡散に一役

  4. トランプ氏「感染者が日本から帰国、聞いてない」 高官に当たり散らす 米紙報道

  5. クルーズ船対応、各国批判 「防疫の概念ないのか」「新たな震源地」「失敗した実験」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです