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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第3部 企業はいま/5 「公費で自動車業界支援」 財務省、産学連携の内閣府事業批判

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 <科学の森>

基礎研究にカネ回らず

 「床や壁は特別に防音・防振を施しています」

 今年11月、横浜市緑区にある企業の一角を借りた慶応大の実験棟を、飯田訓正(のりまさ)特任教授(67)が案内してくれた。中には自動車のエンジンを模したシリンダーの実験装置が2台あり、実物と同じようにガソリンで動く。うち1台は内部の燃焼状態をレーザーで計測するため、シリンダーが透明な石英ガラス製の特注で、5000万円する。

 京都など3カ所にも同様の実験施設がある。これらの整備費はほぼ全額、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の資金で賄った。飯田さんは「大学だけでこれほどの装置を買うのは無理。危険物を扱う許可も要り、大掛かりな燃焼実験をやるのも難しい」と話した。

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