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にいがた記者日記

年末ワイド版/7 パワハラ自殺遺児の思い 「命はお金で買えない」=南茂芽育 /新潟

 「もし魔法が使えたら、パパが死ぬ1日前に戻って言いたいんです。明日は仕事休んで、行かないで--」

 今年1年、上司からのいじめを苦に2007年に自殺した新潟市水道局勤務の男性(当時38歳)の遺族を取材した際、長女の望美さん(仮名、13歳)がふと漏らした言葉が胸に刺さった。

 男性の自殺は、当時の同僚の証言などにより、職場でパワーハラスメントを受けたことによるものだったとして11年、一般企業の労働災害に当たる公務災害に認定された。しかし市はその後の独自調査を基に「パワハラはなかった」と主張。賠償を巡って今も裁判で係争中だ。11月に掲載した記事では妻の訴えを中心としたが、取材の際、母を支えるように横に座る望美さんの姿がずっと心に残っていた。どことなく男性に目元が似ており、「お父さんに似てるね」と言うと、はにかみながらも満面の笑みを見せた。

 父が亡くなった時、まだ1歳だった望美さん。物心ついた頃から自分にはなぜ父がいないのか疑問に思っていた。小学校に入って少したった頃、母から「お父さんは職場で働き過ぎて亡くなったんだよ」と聞かされた。ショックだったが、女手一つで兄と自分を育ててくれている母の苦しげな顔に、詳細はそれ以上聞かなかった。代わりに勉強に精を出すようになった。「あの子は一人親だから駄目、なんて周りに言われたくなかったから」。…

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