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2018おもしろ系フード 担当記者が独断と偏見で1年を振り返る

今年記事にした主な“おもしろ系”の食品=上段左から2番目を除き各メーカーの提供写真

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 今年も発売が相次いだ食品の新商品。連日、山のように発表されるプレスリリースの中から、2人の記者が一般的な新聞記事とは違った視点で“厳選”し、ネット向けに記事を書いてきた。記事にしたポイントは「笑ってしまう」「力が抜ける」けれど、読んで楽しめる――だ。年末恒例のヒット商品番付でもなんでもない、そんな「おもしろ系フード」の今年の傾向を、担当記者が独断と偏見で振り返ってみた。【増田博樹、大村健一/統合デジタル取材センター】

    シャンプーとコラボ ラジカルなカップ焼きそば

     増田 今年もやはりコラボ商品が多かったと思う。特に、まるか食品の「ペヤング ソースやきそば」と、アンファーの育毛シャンプー「スカルプD」の「ペヤング スカルプDやきそば」の想像を絶する組み合わせには衝撃を受けた。おやつカンパニーなどの「ベビースターラーメンonアイス」も、「え、あれがアイスに乗るのか!」と。一方で、コラボが当たり前になり、他にこの二つに並ぶインパクトを感じたものが少なかったのも事実。開発担当者にとっては厳しい時代かもしれない。

    まるか食品とアンファーのコラボ商品「ペヤング スカルプDやきそば」=提供写真

     大村 確かにハードルが上がったと感じている。昨年以前のことだが、企業同士が公式ツイッターなどの交流を通じて開発するケースがあった。パインと山芳製菓の「パインアメ味のポテトチップス」や、井村屋とタカラトミーアーツの、あずきバーかき氷器がそれで、当時は目新しかったと思う。しかし、今は経緯だけで目を引くことは難しく、消費者を驚かせるには、よりラジカルな商品にせざるをえなくなっていると思う。味との兼ね合いもあるので難しい話だが、コラボに寛容な企業は増えたようにも感じている。さらなる「化学反応」に期待したい。

    おやつカンパニーなどが開発した「ベビースターラーメンonアイス」=提供写真

    「揚げただけ」ポテチには深い思いも

     増田 一方、単独開発商品は自由度が大きいからか、「そこまでやるか」というネット上の声も多かった。例えば、ファミリーマートの「パンでロシアンルーレット」。九つに分かれたパーツの一つにわさびタルタルソースが入っている、というものだ。日清食品は、「日清焼そばU.F.O.」用にダムの写真をあしらった湯切りプレートを1月に発売。湯切りでダムの放流気分が味わえるという、何がなんだかよく分からない商品も投入した。開発には2年かけたらしい。

    日清食品の「ダム湯切りプレート」。ダムの放流気分を味わえるという=東京都千代田区の毎日新聞東京本社で2018年1月26日、佐藤丈一撮影

     大村 「~だけ」商品も今年の特徴のように思う。日清は「U.F.O.」に添付されている「ソースだけ」をボトルで発売したのだが、普通のソースとはひと味違い、何にかけてもカップ焼きそばの味になるという、ファンにはたまらない一品だった。ちなみに、ボトルソースはペヤングも販売している。

     増田 ローソンは人気スイーツの「プレミアムロールケーキ」の「クリームだけ」も売っていた。湖池屋の「ポテトの素顔」は、ジャガイモを「揚げただけ」で、味付けはないが十分おいしく感じた。湖池屋は生卵や九条ネギのトッピングを推奨するポテトチップなど、とがった商品を他にも出してきたが、担当者に意図を聞くと「料理のようなポテチ」を目指しているのだそうだ。本人たちは至って真剣なのだ。

    湖池屋のポテトチップス「ポテトの素顔」=提供写真

    スマホ対策でスナック菓子にもイノベーション?

     増田 産業界はIT業界を中心に「イノベーション」がキーワードの1年だったと思う。我々が取材してきた世界はどうだっただろう?

     大村 例えばキユーピーのキャップの穴を三つにしたマヨネーズはどうだろう。サラダにかければ、家庭でもレストランのメニューのような見栄えになるようにした。新キャップの採用は16年ぶりだそうだ。11月には、中身を流れ落ちやすくし、使い残しを減らせる容器も投入している。小さな工夫だが、利用者の声に応えた一種のイノベーションではないかと思う。

    キユーピーの三つ穴マヨネーズキャップ=提供写真

     増田 魚肉練り製品製造のカネテツデリカフーズが6月に発売した「ほぼうなぎ」も挙げてみたい。魚のすり身でウナギのかば焼きを再現した商品だ。取材を始めた動機は商品名のインパクトだったのだが、外食や小売りにウナギ事情を聞いてみると、稚魚の不漁による価格高騰や、代替品の販売が進む現状は予想以上だった。最初は話題作りの商品かとも思ったが、結果として社会的課題に向き合ったイノベーションだ、とも感じた。

    カネテツデリカフーズの「ほぼうなぎ」=提供写真

     大村 他にダイバーシティー(多様性)やエコなどの観点からも、定番を含めて商品の改革に乗り出す可能性はあるかもしれない。もう一つ考えられるのがスマートフォンにからむ話だ。個人的には真偽は何とも言えないと思っているのだが、一部スナック菓子の売り上げ減の理由として「手についてスマホが使いにくい」という声をよく聞いた。今後は抜本的なスマホ対策を前面に出した商品が出そうな気がしている。

    SNSへの素早い反応で大ヒット

     大村 SNSの活用も工夫が必要と感じている。目を引いたのが明治の「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙2018」。ファン投票で40年来のライバルが決着をつけるというイベントで、全投票数は1500万を超えた。たけのこが辛勝したが、どちらの派も楽しかったのは、SNSで受け取る情報だけではなく、「参加する」ことにあったのではないかと思う。

    「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙2018」の開票結果発表会で、勝利した「たけのこ党」の商品キャラクターたちに表彰状を渡す「嵐」の松本潤さん=東京都渋谷区の「ラフォーレ原宿」で2018年9月11日、大村健一撮影

     増田 SNSに素早く反応して成功した例を一つ。ローソングループの「悪魔のおにぎり」がそれだ。6月にTVで紹介されSNSで拡散すると、「悪魔的なスピード」(低価格業態のローソンストア100)で9月には商品化した。10月中旬に発売した本家ローソンでは、新商品おにぎりの通常の月間売り上げが約100万個のところ、約2カ月半で1400万個を超え、王者「シーチキンマヨネーズ」の牙城も崩した。天つゆや青のりなどを使った日本人の味覚に合った味や、ユニークなネーミングもヒットの理由だが、「これは行ける」と素早く判断したことも背景にあったと思う。

    発売2カ月間で1400万個を売り上げたローソンの「悪魔のおにぎり」=提供写真

    危機も正直に伝えてファン呼び戻せ

     増田 そういえば、森永製菓のチョコフレークの来春の生産終了は残念だった。売れ行き不振が原因というが、あれだけのブランドを築くのは大変なのに……。江崎グリコのガム「キスミント」も姿を消すし、昨年の明治「カール」の西日本地域限定化も記憶に新しいところだ。

    森永製菓の「チョコフレーク」=提供写真

     大村 個人的に定番の「生産終了」の際にいつも思うのは、あまりにも発表が突然で、発表されてからSNSで思い出を語り、悲しむ声をあげるファンが非常に多いという点だ。無くなってから「好きだったのに」とファンに言わせるのは、裏返せばメーカー側が商機を逸している、と言えるのではないか。

     増田 あまりやり過ぎると閉店セールを毎日やっている店のようになってしまうかもしれないが、事前に「今、この商品はこのような危機に直面していて、このままなら生産が中止になってしまう」ということをメーカー側はもっと伝えてもいいのでは、と思う。

     大村 食品ではないが、少し変わった例で言えば、「資生堂が歌舞伎用化粧品の生産を中止する」という歌舞伎俳優のツイートがきっかけで支援の輪が広がり、覆ったケースがあった。売り上げ減で中止を突然発表するのではなく、客はその商品の物語や思い出も共有しているのだから、危機さえも伝えて、ファンを呼び戻す戦略の方が今の時代に合っている気がする。

     増田 最後は課題になったが、2019年もメーカーにはさらにおもしろい新商品に挑戦してほしいと思っている。読者の皆様、よいお年をお迎えください。

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