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加藤浩子の「街歩き、オペラ歩き」

火山の麓にそびえるゆかりの作曲家にささげられた神殿〜カターニア、ベッリーニ大劇場

ベッリーニ大劇場の正面ファサード

 自然が創った美しい景観が、時にいかに残酷になりうるか。

 シチリア第2の都市カターニアは、そのことを思い起こさせてくれる街だ。

 港町カターニアのシンボルは、街を見下ろしてそびえるエトナ山。港から眺めるエトナ山は、富士山が海を従えているように美しい。イタリアの港町の絶景といえば、ナポリ湾を見下ろして立つベスビオ山も有名だが、二つの峰がならぶベスビオ山より、ひとつの峰がなだらかに裾を広げるエトナ山のほうが優しく、眺めていて心が満ちる。

 だがこの山、美しい外見とはうらはらにくせ者である。しょっちゅう噴火している、現役の活火山なのだ(実はこの原稿を書いている最中にも噴火した。おなじ火山国である日本の住民としては、どうにも気になるところだ)。エトナ山麓(さんろく)の街カターニアが、古代ギリシャ以来の長い歴史を誇るのに、現存している歴史的建築物の大半が18世紀のバロック様式なのは、1669年の大噴火と24年後の大地震でそれまでの街が消…

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