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社説

TPPあす発効 保護主義を排する基盤に

 米国の保護主義に戦略的に対抗する足がかりになるだろう。

     日本など11カ国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)があす発効する。米国が離脱したが、なお経済規模で世界の1割強を占める大型自由貿易圏の誕生だ。

     米中貿易戦争を懸念して世界的に株価が急落しただけに、TPPの意義は増している。なかでも発効を主導した日本の責任は重い。

     まず保護主義の防波堤とするため足場を固める必要がある。政府は国内総生産(GDP)が8兆円近く増えると試算するが、自由貿易の利点が広く行き渡るよう努めるべきだ。

     日本は人口減少に直面し、経済発展には輸出を増やすことが欠かせない。TPPは、成長著しいアジア太平洋地域への輸出を後押しする効果が見込める。海外とのつながりが弱い中小企業の支援強化が大切だ。

     日本の消費者にもメリットが多い。オーストラリアやカナダといった農業大国が参加し、輸入農産物の値下がりが期待できるからだ。

     一方、日本の農家の不安は解消されていない。

     TPPは、海外でも品質が評価される日本の農産物の輸出をもっと伸ばす好機である。政府は輸出促進策に取り組んではいるが、従来型のばらまきも目立つ。生産効率を高めるIT(情報技術)導入など競争力を強化する政策に注力すべきだ。

     そのうえで、重要なのはTPP参加国を拡大していくことである。

     TPPには既にタイやインドネシア、韓国、英国などが関心を示している。日本政府は、参加11カ国の閣僚会合を東京で来月開き、新規参加の手続きを議論すると決めた。

     規模が大きくなるほど、関税撤廃の恩恵を受けられない米国は、農産物などの輸出で不利になる。米農業界などからトランプ政権に方向転換を促す声も強まるのではないか。

     日本は年明けにも米国と新たな貿易交渉に入る。米国からは一方的な市場開放を迫られる恐れがある。TPP拡大の議論が進めば、米国の焦りを誘い、日本が交渉を優位に進められる可能性が出てくる。

     日本が欧州連合(EU)と結んだ経済連携協定も来年2月に発効する。TPPとともに、保護主義の拡大を食い止めるてこにしたい。

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