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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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都会に暮らす 海浜ニュータウンから/5止 改修で若者引き寄せ

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リノベーションされた団地の一室に住む武政礼子さん=千葉市美浜区で12月5日、渡部直樹撮影
リノベーションされた団地の一室に住む武政礼子さん=千葉市美浜区で12月5日、渡部直樹撮影

 天井板がなく、開放感のあるリビング。見上げると、格子状の部材がむき出しになっている。壁にあしらった古材は、天井板や床板の再利用だ。「一目ぼれでした」と住人の武政礼子さん(30)は笑みを浮かべた。

 千葉市美浜区の海浜ニュータウン。稲毛海岸3丁目団地は、5階建ての27棟に約750世帯が入居する。武政さんは3月上旬、勤務先の不動産会社がネットでこの賃貸物件を紹介する仕事に関わった。

 築50年だが、リノベーション(大規模改修)を施し、個性的な造りに生まれ変わった。壁を塗り替えたり、くぎを打ったりしても、原状回復の必要がないのも魅力だった。1LDK(約48平方メートル)の家賃は月5万円台と相場よりも割安で周囲には緑も多い。翌4月、5階の一室に胸を躍らせ入居した。

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