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福男選び開門役に初の女性 東日本被災地から「福女」

開門役を務める阿部美由紀さん=開門神事講社提供

 商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・西宮神社(兵庫県西宮市)で来年1月10日早朝に行われる恒例の「福男選び」に、東日本大震災の被災地から「福女」が招かれ、スタートの開門役を務める。神社によると、女性が開門役を担った記録はない。平成最後の伝統行事に新たな歴史が刻まれる。【生野由佳】

    今年の西宮神社の福男選び。開門と同時に参加者が一斉に走り出した=兵庫県西宮市で2018年1月10日午前6時、猪飼健史撮影

     「福女」は、東日本大震災で被災した岩手県北上市の会社員、阿部美由紀さん(36)。同県釜石市で節分の前後に開かれる「韋駄天(いだてん)競走」女性部門の2017年、18年の覇者だ。

     韋駄天競走は、西宮神社の福男選びをモデルに14年から始まり、一番乗りには福男、福女などの栄誉が与えられる。市民約1200人が当時難を逃れた高台にある仙寿院まで駆け上がり、津波避難の継承も兼ねている。

     阿部さんは震災で自宅が半壊し、数日間、余震におびえて夜も眠れなかった。しかし、全国からのボランティアに励まされ、「いつか恩返しをしたい」と考えていた。

     そんな折、17年の韋駄天競走で、スタートの号令役として、福男選びを運営する「開門神事講社」講長、平尾亮さん(42)が招かれたのを知り、平尾さんに「福男選びで何かお手伝いしたい」と申し出た。阿部さんは年間10レース以上のマラソン大会に出場するランナー。神社は阿部さんの体力も見込み、開門役の一人に選んだ。

     数千人が神社本殿まで駆け抜ける福男選びは、江戸時代に始まったとされる。開門役は「門押さえ」とも呼ばれ、開門までは「一番福」を目指す熱気あふれる集団にこじ開けられないよう押さえ続ける重要な力仕事だ。

     神社によると、門押さえに性別や人数の規定はないが、開門時に走者に巻き込まれる危険があり、代々男性が務めてきた。神社の吉井良英・権宮司も「記憶する限り、女性の門押さえは初めて」と話す。

     阿部さんは福男選び前日の9日、被災地を支援してくれた人たちへの感謝をつづったカードを参拝客らに配り、その足で開門役に挑む。「2年連続の『福女』の御利益を全国各地の被災地に届けられたらうれしい」と話している。

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