今からちょうど80年前の11月9日、ドイツでは「水晶の夜」と呼ばれるユダヤ人を狙った迫害事件が起きました。約400人が殺され、3万人以上が強制収容所に無理やり連れていかれました。この事件は、600万人以上が犠牲になったナチスドイツ政権による「ホロコースト」(ユダヤ人大虐殺)の第一歩とされ、今も多くのドイツ人の胸に「二度と起こしてはならない出来事」として刻まれています。
事件が起きた11月9日を前に、ベルリンではユダヤ人迫害の犠牲者を追悼しようと「つまずきの石」と呼ばれる記念碑をきれいにする活動が行われました=写真。主催したのは与党のドイツ社会民主党の人たちです。つまずきの石はホロコーストなどで亡くなった人が住んでいた家の前に設置され、名前や亡くなるまでの経緯などが書かれています。
活動を呼びかけたベルリン州議員のビルデンハインラウターバッハさんは犠牲者の記録を読み上げ、「亡くなられた方々は私たちの隣人だったのです」と述べ、私たち自身が少数派に対する差別やいじめと戦うことの大切さを訴えました。【ベルリン・中西啓介、写真も】
国名 ドイツ連邦共和国
首都 ベルリン
面積 35万7376平方キロメートル
人口 約8211万人(2017年推定)