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社説

児童相談所の役割 虐待の一掃に向け全力を

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 児童虐待の深刻さを改めて突きつけられた1年だった。

     全国の児童相談所が対応した虐待は13万件を超え、過去最多を更新した。東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃんが虐待され死亡した事件では、児相職員のずさんな対応や児相間の連携不足が露呈して批判を集めた。

     虐待されている子どもを迅速に救済できるよう、児相の機能強化を急がなくてはならない。

     政府は結愛ちゃん事件を受け、2022年度までの4年間に児相職員を2890人増員するなどの新プランを正式決定した。現在の1・6倍に当たる人員増である。

     この中には経験の浅い職員を指導するスーパーバイザー約300人が含まれる。児相の現場では3~4年で異動する職員が多く、困難なケースに対応できる職員が足りないと指摘されているためだ。

     「子ども家庭総合支援拠点」を全市町村に設置することも新プランに盛り込まれた。虐待を受けた子が施設に入らず家庭にとどまる場合、継続的に見守る制度だ。16年の児童福祉法改正で導入されたが、まだ106市町村にとどまっている。

     緊急事態に児相が集中するためには、それ以外の仕事を市町村がもっと担う必要がある。

     支援拠点は社会福祉法人などに委託することも認められている。子どもの支援の経験が豊富な職員のいる法人もある。地域ぐるみで児相をバックアップすべきだ。

     来年の通常国会に提出される児童福祉法改正案には、児相が被虐待児を迅速に保護する方策が盛り込まれる予定だ。全児相に弁護士を常勤させることなどが検討されている。

     現行法でも弁護士配置の規定はあるが、常勤しているのは全国212の児相のうち7カ所に過ぎない。親の意向に反しても子どもを保護するには、弁護士の知識やセンスをいつでも活用できる体制が必要だろう。

     児相の増設も検討すべきだ。増え続ける虐待に対応するには、都道府県と政令市だけでなく、すべての中核市や特別区に児相があることが望ましい。そのためには国の財政支援が不可欠だろう。

     児相は虐待される子を守る最後のとりでだ。国も自治体も全力を挙げて機能強化を図るべきである。

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