元外交員「搾取許せぬ」顧客情報600万円自腹も 保険代理店経費天引き問題

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広島市の保険代理店で働いていた男性が広島地裁から示された労働審判の文書=同市で2018年12月13日、樋口岳大撮影
広島市の保険代理店で働いていた男性が広島地裁から示された労働審判の文書=同市で2018年12月13日、樋口岳大撮影

 労働者に多額の経費を負担させる保険代理店の働かせ方を巡り、元外交員が相次ぎ会社側を訴えていることが判明した。広島地裁に労働審判を申し立てた元外交員の60代男性は「会社が社員から金を吸い上げる搾取は許せない」と訴える。

 男性や弁護士によると、男性は2014年夏から3年3カ月、広島市の保険代理店に勤務。働き始めてから数カ月が過ぎると、入社時に約束されていた月12万円の「基本給」がなくなり、事実上の完全歩合給になった。保険契約が成立すれば手数料が給料として得られるシステムだったが、給料からはさまざまな名目で多額の経費が差し引かれた。

 最も負担が大きかったのは、会社側から一方的に配信される「契約の見込みがある顧客」の情報料で月数十万円、総額で約600万円に上った。ただ見込み客は「外交員と面談するだけで商品券がもらえる」といったインターネット広告などで集められており、実際には数時間かけて会いに行っても契約に結びつかないことも多かった。自分で見込み客を選ぶこともできなかった。

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