会員限定有料記事 毎日新聞
映画「砂時計」監督・佐藤信介様へ
忘れられない風景がある。その一つ一つの思い出が今の私を作っている。(杏)
「東京近郊での撮影も考えたが、(原作通り)島根の情景にこだわった」。島根県を舞台に、幼なじみの男女4人の恋愛を描く映画「砂時計」(2008年)の佐藤信介監督(48)は振り返る。
重要なロケ地はまず、巨大な1年砂時計のある仁摩サンドミュージアム(大田市)。主人公の杏(夏帆)が母の故郷、島根に戻って最初に訪れる。苦境を乗り越え大人になった杏が重大な決意をする所でもある。「静かに時間の流れを感じる空間。映画の象徴として印象に残っている」という。同館には08年度、全国から約13万人が来訪。今も映画に映る砂時計を一目見ようとファンが訪れる「聖地」だ。
佐藤監督は島根の山と谷、点在する家々にほれ込んだ。誰もがホッとする情景こそ、杏に幼なじみの大悟が「…
この記事は有料記事です。
残り1097文字(全文1473文字)