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余録

初日の出はご覧になれただろうか…

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 初日の出はご覧になれただろうか。NHKが大みそかに放映する「ゆく年くる年」の中継でもおなじみの滋賀県・比叡山延暦寺は名所の一つ。陽光に照らされた琵琶湖が美しい。平成最後の新年である▲新年恒例の「歌会始の儀」が16日に皇居で行われる。昨年、皇后さまは、天皇陛下が多くを語ることなく重責を果たしてこられたことを詠まれている。<語るなく重きを負(お)ひし君が肩に早春の日差し静かにそそぐ>▲平成最後の一般参賀となったきのう、皇居には平成最多の約15万5000人が詰めかけた。象徴としての重きを負い、歩んだ30年の歳月。両陛下が訪れたそれぞれの土地で、お気持ちに触れて希望の光を感じ、前を向いて歩き出した人は多いはずだ▲市井の一人一人の国民も、昭和から平成にかけて懸命に生き、自ら社会の光となってきた。作家の司馬遼太郎が、旅先の山口県萩市で出会った旅館の女性従業員のことをエッセーに書いている。お種さんという。世話焼きで、おにぎりの好きな客がいると聞けば握ってあげる。地元の人からも一目置かれ、身の上相談に乗っていた▲お種さんは明るく謙虚だ。司馬は、比叡山を開いて天台宗を創始した伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)の言葉を引用してこう記した。「伝教大師の、いかにもその篤実(とくじつ)な性格を偲(しの)ばせる言葉を、私は思い出す。一隅(いちぐう)を照らす人こそ、国の宝だ。そんな人は、どこの町にもいる」▲彼女のような人がいたからこそ、社会は輝いてきた。今年の歌会始の題は「光」である。

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