平成が始まった頃と現在の消費行動で一番変わったのは、特に若者がモノを買わなくなったことだ。これには金を使わなくなった、金を使わなくて済むようになった、金を使う先が変わったなどいくつかの要素が混ざり合っている。
金を使わなくなった背景には、バブル崩壊後の経済の低迷によって賃金が下がり、非正規雇用が増えたことが挙げられる。少子高齢化による社会保障制度への不安もあろう。ただ、金がないから使わないというわけではない。単身勤労世帯をみると、今の若者はバブル期の若者より可処分所得も貯蓄も多く、生活満足度も高い。明るい将来が見込めない中で地に足のついた消費行動になっていったのだろう。
金を使わなくて済むようになったのは、デフレや流通環境の進化によって消費社会が成熟化し、金をかけなくても多様な商品やサービスを楽しめるようになったためだ。例えばユニクロに代表されるファストファッションのように、安価で高品質な商品が手に入り、選択の幅も広がった。いいモノイコール高いモノ、ブランド物という従来の物差しでは判断できなくなり、高級ブランドへの欲求や憧れが薄れ、持つことがステータスではなくな…
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