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「壁」と世界

第1部 怒れる司祭たち/3 与党、司法を掌握

右派政党「法と正義」の辞任要求を拒否し続けたゲルスドルフ最高裁長官=2018年10月

 「私には憲法を守る義務がある。(憲法違反の)法律に従って辞任することはできない」。ポーランドの首都ワルシャワにある最高裁判所。マルゴジャタ・ゲルスドルフ最高裁長官(66)はそう語気を強め、記者の顔を見据えた。

 与党の右派政党「法と正義」(PiS)は昨年7月、司法改革の一環として、最高裁判事の定年を70歳から65歳に引き下げ、定年後も職務継続を求める場合は大統領の許可を必要とした。72人の最高裁判事のうち、65歳以上はゲルスドルフ氏を含め27人。大統領はPiS出身で、PiSによる「判事の選別」は明らかだった。憲法では長官の任期は6年で、ゲルスドルフ氏の任期は2020年まで。ゲルスドルフ氏はPiSから辞任要求を受けながらも、長官室への出勤を継続する「籠城(ろうじょう)」生活に入った。

 カトリック司祭らの支持を受け、15年に下院で単独過半数を得て政権を樹立したPiSは、「共産主義時代…

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