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黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続

/150 第三話 同行二人=宮部みゆき 題字・絵 藤枝リュウジ

 亀一は疫病で、寛吉は不運な過ちで、大切な妻子を亡くしてしまった。一人だけ生き残り、自分の命を持て余している。

 亀一は走り飛脚で、その仕事が一人きりで走る口実になるから、ただ走ってきた。己を空っぽにして走ってきた。涙も出ないほど空っぽだから泣かなかったけれど、泣こうと思えば走りながら好きなだけ泣けたろう。

 一方の寛吉は茶屋という客商売で、小さな掛小屋から離れることができなかった。彼は泣いて泣いて泣き暮ら…

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